全粒粉とは、
小麦をまるごと挽いたもののことで
「ぜんりゅうふん」「ぜんりゅうこ」
と読みます。
全粒粉について詳しくみていきましょう。
全粒粉と小麦粉の違いは?
全粒粉と小麦粉の違いは
- 使われている部位
- 含まれる栄養素
- カロリー・糖質
全粒粉と小麦粉のもっとも大きな違いとして、使われている部位があげられます。
小麦粉は小麦の皮などをむいて白い胚乳という部分だけ残して挽いたものです。
対して全粒粉は、小麦粉の表皮や胚芽など白くない部分も残して丸ごと挽いたものです。
お米の玄米と白米を想像してもらうとわかりやすいでしょう。
小麦粉は白米、全粒粉は玄米のようなものです。
全粒粉も玄米のように茶色がかっていてザクザクとした食感、香ばしい風味が特徴です。
全粒粉に含まれる栄養と効果
全粒粉に豊富に含まれる栄養は
- 食物繊維
- ビタミンB群
- ミネラル
- 鉄
これらの栄養素は小麦の『胚芽』と『表皮』に多く含まれています。
そのため、同じ小麦からできている小麦粉よりも全粒粉の方が栄養豊富です。
それぞれの栄養素を小麦粉と比較すると
- 食物繊維
-
約4倍
- ビタミンB群
-
約4倍
- ミネラル
-
約4倍
- 鉄
-
約3倍
と、どれも3~4倍も多く含まれていることがわかります。
全粒粉を食べることで期待できる効果
全粒粉を食べることで期待できる効果は
- 血糖値の上昇を抑える効果
- ダイエット効果
- 腸内環境を整える効果
これらの効果は全粒粉に豊富に含まれる食物繊維によるものです。
食物繊維は糖の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑えてくれます。
血糖値の急上昇を防ぐことで太りにくくなるダイエット効果も期待できます。
また食物繊維が腸内環境を整え、お通じをよくしてくれます。
全粒粉はグルテンフリー?全粒粉のアレルギー症状
全粒粉はグルテンフリーではない
全粒粉は小麦からできているのでグルテンフリーではありません。
グルテンアレルギーの方はもちろん、小麦粉アレルギーの方もアレルギー反応を起こす危険性があります。
グルテンのもととなるタンパク質は小麦の『胚乳』部分に含まれています。
全粒粉は小麦の『胚乳』『胚芽』『表皮』を挽いたものなので、グルテンのもととなる成分が含まれています。
また小麦アレルギーはグルテンのもととなるたんぱく質とは別のタンパク質にアレルギー症状を発症します。
グルテンが平気でも小麦にアレルギーがある場合は、全粒粉も避けましょう。
全粒粉は小麦粉より体に悪い?体に悪いと言われる理由を解説
全粒粉が体に悪いと言われる理由は
- フィチン酸が含まれているため
- 残留農薬のリスクが上がるため
どちらも身近に販売されているパンや全粒粉では健康への影響はありません。
ただ、考えられるデメリットとして紹介されていることが多くあります。
フィチン酸はなぜ体に悪いと言われる?
フィチン酸には、キレート作用という『ミネラルを吸収しやすくして、体の不要な老廃物を排出してくれる』良い効果があります。
ただし過剰に摂り過ぎると亜鉛の吸収を鈍くしてしまう作用もあります。
小さなお子さんは食べられる量が少なく食事から摂れる栄養の量も大人より少なくなりがちなので、心配な場合は全粒粉を含む食べ物は少量から食べさせてあげるとよいでしょう。
「全粒粉パンだけを毎日3食食べ続ける」ような、よほど偏った食生活や、過剰な食べ過ぎがなければ問題はありません。
なぜ残留農薬のリスクが上がる?
全粒粉は、通常小麦粉に使われる『胚乳』を包んでいる『表皮』ごと挽いて作られます。
小麦粉より外側の部位が使われているので、小麦粉よりも残留農薬のリスクが上がると言われています。
ただし農薬のリスクは全粒粉に限ったことではありません。
どの作物も国が定めた厳しい基準をクリアしたものだけが皆さんの身近で販売されています。
どうしても心配な場合は無農薬の全粒粉を選ぶようにすると安心です。
全粒粉にも強力粉がある!小麦粉の値段と比較
全粒粉は小麦粉よりも値段が少し高め
全粒粉は小麦粉と比べて少し値段が高めです。
『春よ恋』という銘柄の全粒粉と小麦粉を比較すると
- 全粒粉(500gx2個)
-
992円
- 小麦粉(1kg)
-
604円
と、全粒粉の方が約400円ほど高いです。
全粒粉より小麦粉の方がポピュラーなので、どうしても全粒粉の方が高くなってしまいます。
また小麦粉に『薄力粉』『中力粉』『強力粉』の種類があるように、全粒粉にも『全粒薄力粉』『全粒強力粉』と種類があります。
小麦粉と同じくお菓子作りには薄力粉、パン作りには強力粉が向いています。
小麦粉を全粒粉で代用できる?
小麦粉は全粒粉で代用できる
小麦粉も全粒粉も同じ小麦から作られているので代用することができます。
ただし、全粒粉は小麦粉に比べて膨らみにくいのが特徴のひとつです。
小麦粉のレシピをそのまま全粒粉で置き換えると「思ったように膨らまない」となってしまうこともあるので、全粒粉用のレシピを選ぶと失敗が少なく安心です。
また全粒粉は表皮や胚芽由来の香ばしい風味とザクザクとした食感、茶色い色味が特徴です。
小麦粉の代わりに使うと、小麦粉とは違った仕上がりになるのもポイントです。
ダイエットにも!小麦粉を使わない全粒粉パンのレシピ
レシピ:HB☆100%全粒粉メープルシロップパン
このレシピではホームベーカリーを使用しています。
全粒粉100%でもフワフワに膨らむパンレシピです。
砂糖の代わりにメープルシロップを使用しているため、小麦粉・砂糖のみ使用したパンより栄養価が高くなります。
レシピ:全粒粉100%パン_早焼きで(HB)
このレシピではホームベーカリーを使用しています。
メーカー推奨の全粒粉コースを使わなくてももふかふかに仕上がります。
材料を入れて焼くだけですのでとても簡単に焼くことが出来ます!
全粒粉とごま油の香ばしさを楽しめます。
レシピ:糖質制限でも!HBで全粒粉100%食パン
このレシピではホームベーカリーを使用しています。
糖質制限中にも罪悪感が和らぐ全粒粉100%のパンレシピです。
小麦粉のみのパンより栄養価が高く、歯ごたえと全粒粉の深い味わいが特徴です。
レシピ:砂糖&バターなし☆100%全粒粉パン☆
レシピ:糖質制限☆ふすま全粒粉パン
ふすまパンミックスと全粒粉でもしっかりと膨らみ、食べやすい食感の低糖質パンのレシピです。食物繊維を多く摂れるのもうれしい!10mm幅カットの場合、1枚あたり推定で糖質5.3g程に抑えられます。
レシピ:全粒粉100%のパン(HB使用)
このレシピでは生地作りの工程でホームベーカリーを使用しています。
全粒粉100%でもふわふわのロールパンのレシピです。
焼きたての外側はパリッとしまていますし、さめてもふわふわなままなのもうれしいですね!
レシピ:全粒粉100%のまるパン
素朴な味わいを楽しめる全粒粉100%のパンレシピです。
中にあんこを入れてあんぱんにしたり、サンドイッチにしてアレンジも自在。
噛みごたえもしっかりあって、噛めば噛むほど香ばしさが広がります!
レシピ:全粒粉100%パン(牛乳・バター不使用)
全粒粉100%で乳製品不使用のヘルシーなパンレシピです。
噛みごたえがしっかりとあり、噛むほどに香ばしい小麦の風味が広がります。
シンプルなパンなので、サンドイッチにしても美味しく楽しめそうですね。
全粒粉を使ったクッキー・スコーンのレシピを紹介
レシピ:全粒粉100%クッキー
卵・バター不使用で素朴な味わいが楽しめるクッキーレシピです。
ザクザクとした食感で噛みごたえも十分!
罪悪感も少ないおやつです。
ナッツやごまを入れれば、更に香ばしさを味わえそうですね。
レシピ:全粒粉のダイエットクッキー
ダイエットにぴったり!
乳製品不使用で、サクサク噛み応えがあり腹持ちもしっかりあるクッキーレシピです。
メープルシロップによって優しい甘さに仕上がります。
一緒に水分を摂れば少量でも満腹感が得られます。
レシピ:全粒粉100%スコーン
外はサクサク、中はもっちりとした食感が楽しめる全粒粉100%のスコーンレシピです。
材料が少なく、混ぜたら焼くだけでとっても簡単!
美味しい上にヘルシーで、ボウルひとつで気軽に作れるのが嬉しいですね。
レシピ:全粒粉100%スコーン
「全粒粉とは」についてのまとめ
この記事では全粒粉についてまとめました。
全粒粉ビスケットや全粒粉パンなど、スーパーやコンビニでもよく見かける全粒粉。
全粒粉とはお米で言う玄米のようなもので、小麦を余すことなく挽いた粉のことを言います。
玄米同様、普通の小麦粉よりも栄養価が高いのが特徴です。
特に食物繊維が豊富で、小麦粉の約3倍含まれていると言われています。
対してカロリーは小麦粉よりも少し低く、栄養を取りながら小麦粉よりも低いカロリーでパンやお菓子が楽しめることで注目されています。
ただし小麦を使っていることからわかるように、健康に良い食材であってもグルテンフリーではないので注意が必要です。
グルテンフリーを実践する際は避ける必要がありますが、ダイエットや健康目的で取り入れるにはピッタリです。
パンやクッキー、スコーンなど、全粒粉と小麦粉をブレンドしたり全粒粉100%で作ったりと幅広く活用することができます。
この記事ではレシピも紹介していますので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。