全粒粉のデメリットは
- 残留農薬の可能性がある
- フィチン酸が含まれる
- 消化不良の可能性がある
- 小麦粉よりも価格が高い
- 小麦粉よりも扱いが難しい
体に良いと言われる全粒粉ですが、気になる方にとってはデメリットもあります。
詳しく見ていきましょう。
全粒粉のデメリットとメリットを比較
全粒粉は残留農薬の心配がある
全粒粉は、『胚芽』や普通の小麦粉に使われる『胚乳』より外側にある表皮なども丸ごと挽いたものです。
そのため残留農薬が検出される可能性が、小麦粉より高くなります。
また輸入品は『ポストハーベスト処理』という、輸出の際に農薬を散布する処理が行われています。
もちろん、国が厳しく定めた基準を満たしているものだけが輸入されているので、健康に害はありません。
それでも心配な場合は、国産全粒粉や無農薬のものを使うと安心です。
参考:
残留農薬|厚生労働省
パンにグリホサートが残留していると聞きましたが、大丈夫ですか?
全粒粉にはフィチン酸が含まれている
フィチン酸は、摂り過ぎると体の必要な栄養素まで排出してしまう栄養素です。
普通に食べる分には塩分など余分なものを排出してくれる『キレート作用』という働きをする健康に良い栄養素ですが、過剰に摂り過ぎると亜鉛やカルシウムまで排出してしまいます。
ただし、フィチン酸は「抗酸化作用」「血栓症の予防」「貧血予防」など健康に良い効果も多くあります。
また、フィチン酸は米ぬかや穀物、大豆などの食品にも含まれており、日本人にとっては普段の食生活でもなじみが深いものです。
実は漬物やみそ汁など、普段から知らずに摂取している栄養素なのです。
そのため、小麦粉のパンやお菓子を全粒粉に置き換える程度では問題はないとされています。
消化不良を起こす可能性がある
消化器官の発達途中の小さなお子さんや、胃腸が弱い方、食べ過ぎると消化不良を起こす可能性があります。
全粒粉には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は消化吸収に時間がかかる栄養素のため、食べ過ぎは消化不良の原因になります。
ただし食物繊維にはメリットも多数あります。
消化吸収に時間がかかる=腹持ちが良い
ということなので、間食を防げるなどダイエットに効果を発揮します。
1日に摂りたい食物繊維の目安は一般成人で
- 男性
-
21g
- 女性
-
18g
と、厚生労働省で定めています。
年齢ごとに摂りたい目安と食品に含まれる量を厚生労働省で細かく公開していますので、小さなお子さんの食事に取り入れる際は参考にすると安心です。
全粒粉をダイエットに取り入れるデメリット
全粒粉をダイエットに取り入れる
デメリットははない
健康に良く、間食を防げるなどダイエット向きの全粒粉をダイエットに取り入れるデメリットは、基本的にはないと言ってよいでしょう。
強いて言うなら、普通の小麦粉よりコストがかかる程度です。
全粒粉パンは小麦粉パンよりも高い
市販の6枚切食パンをネットストアで比較すると、
- 全粒粉食パン
-
258円
- 小麦粉食パン
-
178円
と、80円も差があることがわかります。
参考:
パスコ 超熟 ライ麦入り|東急ネットスーパー
パスコ 超熟|東急ネットスーパー
また手作りの場合でも1kgあたりの粉の値段を比較すると
- 全粒粉
-
992円
- 小麦粉
-
604円
と、400円近く差があります。
いきなりすべての小麦粉を置き換えるのは大変なので、ダイエット中のパンを全粒粉パンに置き換えるところから始めるのがおすすめです。
全粒粉はデメリットだけじゃない!
GI値と糖質が低い
全粒粉は小麦粉より糖質・GI値が低い
まず、糖質を100gあたりで比較すると
- 全粒粉
-
57.4g
- 強力粉
-
69.0g
- 薄力粉
-
73.3g
と、大幅に低いことがわかります。
参考:
全粒粉 – 一般成分表|食品成分データベース
強力粉 – 一般成分表|食品成分データベース
薄力粉 – 一般成分表|食品成分データベース
次にGI値を比較すると
- 全粒粉パン
-
GI値50
- 小麦粉食パン
-
GI値90
と、全粒粉パンの方が半分近く低いことがわかります。
GI値は実際に食品を食べて血糖値の上昇を計って算出するため、粉の状態ではなくパンの状態で比較しています。
参考:
絵で見て知る全粒粉 | 日清製粉グループ
GIについて学ぼう|大塚製薬
GI値の求め方
食パン1枚当たりのカロリーを比較
食パン1枚あたりのカロリーを比較すると
- 全粒粉パン
-
151kcal
- 小麦粉パン
-
154kcal
と、わずかですが全粒粉パンの方が低いです。
参考:
全粒粉パン – 一般成分表|食品成分データベース
食パン(リッチタイプ) – 一般成分表|食品成分データベース
全粒粉は粉の状態ではカロリーが低いのですが、パンになることで小麦粉と大きな差がなくなります。
どちらのパンでも、牛乳・バター・卵などカロリーのあるものが同じく使われるので粉のときほど大きな差が出ないのです。
ですが、全粒粉パンの方が食べ応えがあるため小麦粉のパンより少ない量で満足するなど、食べる量によってカロリーを抑えやすいメリットがあります。
ダイエット中でも食べてOK!全粒粉パンレシピ
全粒粉のデメリットに『取り扱いが難しい』
という点があります。
全粒粉は小麦粉よりも水と混ざりにくく、
「うまくまとまらなかった」
「パサパサになった」
と言った失敗も。
最近は全粒粉パン用のミックス粉が売っていたり、全粒粉でも美味しくふんわり焼けるレシピを見つけることができます。
全粒粉入り、100%でもおいしくできるレシピを紹介しますので、ぜひチャレンジしてみてください。
レシピ:HBで♪我が家のくるみレーズンパン♪
全粒粉とフランスパン用の強力粉を使ったレシピ
クルミとレーズンの甘みで、何もつけずにそのままでもおいしい!
甘さもはちみつを少しだけ使うレシピなので、糖質が気になる方にも嬉しいですね。
レシピ:油・卵不使用☆☆ライ麦と全粒粉の丸パン
レシピ:手捏ねでも簡単、全粒粉100%のパン
ダイエットにもピッタリの全粒粉100%レシピ。
食べ応えバツグンのずっしり系なので、サンドイッチでアレンジにもピッタリ。
砂糖・卵・バター・牛乳不使用で、アレルギーの方も安心して食べられます。
レシピ:砂糖&バターなし☆100%全粒粉パン☆
全粒粉のデメリットについてまとめ
この記事では全粒粉のデメリットについてまとめました。
小麦粉より栄養が豊富で、香ばしい風味がおいしくメリットも多い全粒粉ですが、やはりデメリットもあります。
全粒粉は小麦よりもグルテンが少なく水とも混ざりづらいので、調理の際にまとめるのが大変だったり、水分量を間違えるとパサパサして固くなってしまったりというデメリットがあります。
また小麦粉よりも保存できる期間が短く、粉の価格も高い点も挙げられます。
通常の小麦粉を作る際には取り除かれる『胚芽』という部分が酸化しやすく、約半年ほどで酸化してしまいます。
食生活に全粒粉を取り入れたい、小麦粉と置き換えたい場合は市販の全粒粉パンや全粒粉を使ったお菓子などからスタートしてみるのが良いでしょう。