全粒粉の糖質とgi値を小麦粉・ライ麦粉・ふすまと徹底比較

全粒粉の糖質は、小麦粉や同じ穀物のライ麦・ふすま粉と比較し、その結果をまとめました。

全粒粉の糖質は57.4g(100g当り)で、

  • 小麦粉より低い
  • ライ麦より低い
  • ふすま粉より高い

それぞれどのくらい差があるのか、詳しく見ていきます。

目次

全粒粉と小麦粉の糖質を比較/小麦粉より低い

全粒粉と一般的な小麦粉を比較すると、
全粒粉の方が糖質が低いです。

100gあたりで比較すると、

全粒粉

57.4g

強力粉

69.0g

薄力粉

73.3g

と最も低いことが分かります。

参考:
全粒粉 – 一般成分表|食品成分データベース
強力粉 – 一般成分表|食品成分データベース
薄力粉 – 一般成分表|食品成分データベース

全粒粉は、一般的な小麦粉で使われる「胚乳」と、小麦粉を挽く際に取り除かれる「表皮」「胚芽」を取り除かずにまるごと挽いたものです。

お米で例えると玄米の様な状態です。

小麦粉の胚乳・表皮・胚芽を説明する画像

全粒粉の糖質が小麦粉(強力粉・薄力粉)より低いのは、小麦粉で取り除かれる「表皮」「胚芽」に食物繊維が多く含まれているためです。

同じグラム数なら、胚乳だけの小麦粉よりも、食物繊維の割合が多く、でんぷん(糖質)の割合が少ない全粒粉が糖質が低くなるのです。

ちなみに、強力粉が薄力粉よりも糖質が低いのは、グルテンが多く含まれているからです。

グルテン(たんぱく質)が、薄力粉よりも強力粉の方が多く、
でんぷん(糖質)の割合が少なくなるため、わずかですが強力粉の方が糖質が低いです。

一般的なパスタやパンに使われる強力粉は、ダイエット中は控えると良いとされる食材です。

そのため糖質制限の時は、小麦粉の代替に全粒粉で作られたパンやパスタが良いとされています。

全粒粉パン・小麦粉パンのgi値を比較

全粒粉パンと小麦粉の食パンを比べると、
全粒粉の方がgi値が低いです。

食後の血糖値の上昇度を示す指標であるgi値は、

全粒粉パン

GI値50

小麦粉食パン

GI値90

と、全粒粉の方が大幅に低いことがわかります。

一般的にGI値55以下は低GI食品といわれていて、 全粒粉パンは低GI食品の分類で多くのメリットがあります。

参考:
絵で見て知る全粒粉 | 日清製粉グループ
GIについて学ぼう|大塚製薬

GI値が低いことによる効果やメリット

gi値が低い食品は、太りにくくなる効果や糖尿病の予防に効果が期待できます。

低GI食品が太りにくくなるのは、糖の吸収が穏やかになり血糖値の上昇も抑えられるためで

食事を摂ると、食事から摂取されたブドウ糖の影響で一時的に血糖値が上昇します。

この血糖値の上昇が急だとインスリンが大量に分泌され、その働きにより糖を体に溜め込んでしまうようになります。

これが原因で太りやすくなるため、gi値が高い食品は太りやすいと言われています。

gi値が低い食品は太りにくく、また高血糖が影響で発症される糖尿病の予防にも効果があるとされています。

全粒粉の糖質をライ麦・ふすま粉と比較/ライ麦より低く、ふすま粉より高い

全粒粉はライ麦と比べると、
全粒粉の方が糖質が低いです。

ふすま粉と比べると、
全粒粉の方が糖質が高いです。

100gあたりで比較すると、

全粒粉

57.0g

ライ麦粉

62.9g

ふすま粉

26.7g

と、ライ麦粉より低く、ふすま粉よりは高いことがわかります。

参考:
ライ麦粉 – 一般成分表|食品成分データベース
国内産小麦ふすま1kg – 厳選小麦粉・ミックス粉専門店 ぐるてん

ライ麦粉は全粒粉同様にビタミンなどの栄養素が豊富で健康によいとされていますが、実は全粒粉よりも糖質が高いです。

通常の強力粉(69g/100g当たり)と大きく変わらないため、糖質を気にする場合はあまり向いていないと言えます。

また小麦と違いグルテンがないのでパンが膨らみづらく、小麦粉に少量混ぜて使われるのが一般的です。

ふすま粉は、小麦の「ふすま」と呼ばれる部分を抽出した粉で、小麦の製粉で残った表皮や胚芽部分を挽いて作られています。

これらの部位には食物繊維が豊富に含まれており、糖質も低いのが特徴です

ただ、ふすま粉もライ麦同様グルテンが含まれていないので、小麦粉に少量混ぜて使われます。

小麦粉のふすま(胚芽)を説明する画像

糖質制限とグルテンフリーは別物

全粒粉はグルテンフリーではありません。

全粒粉は小麦粉をまるごと挽いたものなので、
グルテンが含まれています。

そのためグルテンアレルギーをお持ちの方や、グルテンフリーを実践したい方には向きません。

ただし糖質は低いので、ダイエットや健康を目的とした糖質制限には向いている食品です

ちなみに糖質制限は糖質の少ない食事をすることで主にご飯や麺類、お菓子を制限することです。

血中の糖質を減らすことで脂肪を消費しやすくするダイエット方法です。

グルテンフリーは、グルテンが含まれる小麦製品を摂取しないことを指します。

糖質制限とグルテンフリーは完全に別物です。

全粒粉のデメリット・体に悪いと言われる理由

  • 小麦粉より残留農薬のリスクが上がる
  • フィチン酸が体に悪いと言われる
  • 消化に時間がかかる

全粒粉は表皮も含めて丸ごと挽いているので、表皮を含まない一般の小麦粉に比べると残留農薬のリスクが高くなります。

小麦を輸入しているアメリカやカナダでは『ポストハーベスト処理』という、収穫後に農薬を散布する処理が行われているためです。

ただ残留農薬といってもその量はものすごく微量で、農林水産省で厳しく定められた基準値以内に収まっています。

それでも気になる場合は、無農薬で栽培された小麦や国内で栽培された小麦が使われた小麦粉を選ぶと良いでしょう。

参考:
残留農薬|厚生労働省
パンにグリホサートが残留していると聞きましたが、大丈夫ですか?

また全粒粉には『フィチン酸』という成分が含まれており、この成分がビタミンやカルシウムなどを排除する働きを持っています。

しかしフィチン酸には「抗酸化作用」や「貧血予防」など健康に良い面も多くあります。

健康や美容に良いと言われる玄米や米ぬかにも含まれている成分です。

そのため、パンを全粒粉のものに置き換えて取り入れる程度の摂取量であれば心配するほどの量ではないとされています。

デメリットも日々の食事に取り入れる程度なら問題ありません

全粒粉を使って糖質を抑えたパンレシピ

お家でも全粒粉100パーセントのパンが作れる

健康面で注目されている全粒粉ですが、全粒粉用のレシピで自宅でも簡単に全粒粉パンを自作することができます。

全粒粉は小麦粉に比べてグルテンが少なく膨らみづらい、水分量が難しく生地がまとまりづらい、などのデメリットもあります。

しかし『全粒粉モード』があるホームベーカリーを使えば、普段のパンと同じように材料を入れてボタンを押すだけで全粒粉100%のパンが自分で作れます。

また、ホームベーカリーがなくてもお家で作れる全粒粉パンのレシピが多数紹介されています。

レシピ:全粒粉100%のまるパン

全粒粉100%のまるパンの画像(引用:cookpad)
引用:cookpad

素朴な味わいを楽しめる全粒粉100%のパンレシピです。
中にあんこを入れてあんぱんにしたり、サンドイッチにしてアレンジも自在。
噛みごたえもしっかりあって、噛めば噛むほど香ばしさが広がります!

詳しいレシピを見る(cookpad)

レシピ:全粒粉100%パン(牛乳・バター不使用)

全粒粉100%パン(牛乳・バター不使用)の画像(引用:cookpad)
引用:cookpad

全粒粉100%で乳製品不使用のヘルシーなパンレシピです。
噛みごたえがしっかりとあり、噛むほどに香ばしい小麦の風味が広がります。
シンプルなパンなので、サンドイッチにしても美味しく楽しめそうですね。

詳しいレシピを見る(cookpad)

レシピ:HB☆100%全粒粉メープルシロップパン

引用:cookpad

このレシピではホームベーカリーを使用しています。
全粒粉100%でもフワフワに膨らむパンレシピです。
砂糖の代わりにメープルシロップを使用しているため、小麦粉・砂糖のみ使用したパンより栄養価が高くなります。

詳しいレシピを見る(cookpad)

全粒粉食パンのヘルシー&栄養満点な食べ方アレンジ

全粒粉食パンをアレンジして食べるならサンドイッチがおすすめです。

サンドイッチなら好きな具材を挟めて、手軽にバランスよく野菜やタンパク質を摂ることができます。

ボリュームたっぷりなので、満足感を得やすいのもメリットです。

甘いジャムやバターなどをたっぷり塗ってしまうと、せっかくパンで抑えた糖質をたくさん摂ることになってしまうので要注意です。

レシピ:鶏ムネ肉のサンドイッチ

引用:cookpad

ダイエット中でもお腹いっぱいサンドイッチを食べたい!
そんな人におすすめの低カロリー・減塩の鶏むね肉を使ったレシピです。
ヨーグルトソースはさっぱりかつコクがあり、ハーブがアクセントになって食欲をそそりそうです。

レシピではバゲット風のパンを使っていますが、食パンに挟むのもGOOD。

詳しいレシピを見る(cookpad)

レシピ:彩り野菜のヘルシーわんぱくサンド

引用:cookpad

たっぷりの野菜と卵で栄養バランスの取れたサンドイッチレシピです。
じゃがいもやかぼちゃでボリューム満点、食べごたえも十分。
切り口も鮮やかで見た目もとても美味しそうです!
お好きな野菜でアレンジも自在です。

詳しいレシピを見る(cookpad)

市販の全粒粉食パンを買うなら『全粒粉の割合』をチェック

糖質制限が目的なら、
『全粒粉の割合が高いもの』を選ぶこと
が重要です。

小麦粉より全粒粉の方が糖質が低いので、全粒粉の割合が多ければ多いほど糖質を抑えられます。

しかしスーパーやコンビニで市販されている全粒粉パンは、全粒粉が少し混ざっているだけのものがほとんどです。

全粒粉100%で作られているパンはスーパー・コンビニではほとんど販売されていません。

全粒粉はグルテンが小麦粉に比べて少なく水分量の調整も難しいので、普通の小麦粉と比べて扱いづらいためです。

さらにはパンのもっちりとした食感を出すために、小麦粉の方が多く配合されている場合が多いのです。

製品によってその割合は異なりますが、全粒粉の割合によっては大して糖質を抑えられない場合もあります。

全粒粉100%のパンを購入したいなら、スーパーやコンビニではなく通販を利用するのが確実です。

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「全粒粉の糖質」についてのまとめ

この記事では「全粒粉の糖質」についてまとめました。

全粒粉の糖質量は100gあたり薄力粉(73.3g)>強力粉(69.0g)>全粒粉(約56.0g)と比較しても最も少ないです。

また低糖質なことに加え、タンパク質・ミネラル・ビタミンB群などの栄養素が多く含まれている点もうれしいポイントです。

グルテンが含まれているのでグルテンフリーではありませんが、低GI食品なのでダイエットや健康を目的として取り入れるならピッタリの食材です。

そんな全粒粉でつくったパンは、香ばしくザクザクとした食感が楽しめます。ふすま粉やライ麦粉に比べ扱いやすいです。

小麦粉から100%置き換えるなら全粒粉がおすすめです。

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