全粒粉が体に悪いといわれる理由は
- フィチン酸が含まれている
- 消化に時間がかかる
- 残留農薬の心配がある
しかしこれらのデメリットも、日々の食事程度なら全く問題ないと言われています。
詳しく見ていきましょう。
全粒粉に含まれる栄養・効果にはデメリットもある
全粒粉にはフィチン酸が含まれている。
フィチン酸は、必要な栄養素を体に吸収しやすくし、不要な毒素をデトックスする働きをします。
※これをキレート作用といいます。
キレート作用は体に良い作用なのですが、
食べ過ぎると必要な栄養素(亜鉛・ミネラル・カルシウムなど)まで排出してしまう可能性があります。
ですが、この作用も日常的に食べる全粒粉を程度であれば体に影響はないと言われています。
むしろ、フィチン酸の機能性に注目が集まっています。
フィチン酸は抗酸化作用や貧血予防など、体に良い作用も多くあります。
大豆や玄米、米ぬかなどが体に良いのは、このフィチン酸が含まれているのも理由の一つです。
安全性と機能性のどちらとも問題ない成分です。
参考:
フィチン酸成分情報|わかさ生活
玄米とフィチン酸について|かわしま屋
全粒粉は体に悪い?/食物繊維は消化吸収が遅い
食物繊維は消化吸収に時間がかかる
食物繊維は基本的に体に良い栄養素です。
ただし、全粒粉には食物繊維が豊富なので消化吸収に時間がかかります。
そのため、消化器官が発達しきっていないお子さんや胃腸が弱い方には、食べ過ぎると、消化器官に負担がかかることがあります。
1日に摂りたい食物繊維の目安は一般成人で
- 男性
-
21g
- 女性
-
18g
と、厚生労働省で定めています。
全粒粉パン1枚当たり(約60g)に含まれる食物繊維量は4.5gです。
全粒粉パン4~5枚で1日の摂取量を満たすことができるので、毎日のパンを全粒粉に置き換える程度であれば食べ過ぎにはならないでしょう。
ダイエットに効果的な『腹持ちの良さ』はこの食物繊維のお陰なので、食べ過ぎなければ体に良い働きをしてくれます。
全粒粉は小麦粉より残留農薬の可能性が上がる
全粒粉は
小麦粉より残留農薬の可能性が上がる
全粒粉は小麦の表皮もまるごと挽いているため、表皮の内側の胚乳だけ挽いている小麦粉に比べて残留農薬の可能性が高くなります。
特に輸入品は『ポストハーベスト処理』と呼ばれる処理が行われており、国産のものより残留農薬が出やすいです。
ポストハーベスト処理は、輸出入の際に虫がつかないようにと収穫後に農薬を散布する方法です。
国産の小麦では行われていない処理なので輸入品の方が危険と思われがちなのですが、輸入品であっても農林水産省の厳しい検査と規定に合格したものだけが流通しています。
万が一農薬が残留していたとしても、健康には害はありません。
それでもどうしても気になる場合は、国産の全粒粉や無農薬の全粒粉を選ぶようにすると安心です。
参考:
残留農薬|厚生労働省
パンにグリホサートが残留していると聞きましたが、大丈夫ですか?
富澤商店で買えるおすすめ国産全粒粉
残留農薬を気にする場合、輸入全粒粉より国産の全粒粉ががおすすめです。
既製品は何が入っているか分からないから手作りしたいという方向けに、
下記で、製菓用品で有名な富澤商店で扱う、国産全粒粉を紹介しています。
「全粒粉は体に悪い」についてまとめ
この記事では「全粒粉は体に悪いのか」について、小麦粉と比較しつつまとめました。
全粒粉は、小麦をまるごと製粉しているのが特徴で、食物繊維・ビタミン・ミネラル・鉄分といった栄養素を豊富に含んでおり、生活習慣予防など健康志向の人から支持を集めています。
一方で、残留農薬や防カビ剤などの付着の可能性についても解説し、気になる方向けには国産の全粒粉をおすすめさせていただきました。
また必要な栄養素を排除してしまうフィチン酸について、機能面も安全面どちらの面も問題ないことを解説しました。
結論、普段食べる程度であれば体に悪い理由は特にありません。
低GI値で栄養価が高い全粒粉をうまく取り入れるコツは、無農薬製品や国内産を選ぶ、食べる量を調整することです。
全粒粉はデメリットがほぼなく、メリットの方が多いのでおすすめです。