全粒粉とライ麦、ダイエット向きなのはどっち?
ダイエット向きなのは全粒粉
糖質を100gあたりで比較すると、
- 全粒粉
-
57.0g
- ライ麦粉
-
62.9g
と、ライ麦粉より全粒粉の方が低いことがわかります。
また、カロリーを100gあたりで比較すると
- 全粒粉
-
320kcal
- ライ麦粉
-
324kcal
と、こちらもライ麦粉より全粒粉の方が低いです。
全粒粉とライ麦、どちらも糖質が低く食物繊維が豊富なのでダイエット向きの食品ですが、よりダイエットに向いているのは糖質・カロリーが低い全粒粉と言えます。
参考:
全粒粉 – 一般成分表|食品成分データベース
ライ麦粉 – 一般成分表|食品成分データベース
全粒粉パンはライ麦パンよりgi値が低い
- 全粒粉パンのGI値:50
- ライ麦パンのGI値:58
どちらも小麦粉パンに比べてgi値が低いですが、特に全粒粉パンは『低GI食品』に分類されます。
gi値は実際に食べられる状態の糖質によって算出されます。
そのため全粒粉やライ麦粉など粉の状態のgi値はなく、パンになった状態で算出されています。
参考:
低GI値の食品がおススメ|抗糖化コラム
グライセミックインデックス(GI)の有用性と問題点
全粒粉とライ麦は血糖値の上昇を緩やかにする食品
- 全粒粉パンは低GI食品
- ライ麦パンは中GI食品
血糖値の上昇度合いをあらわすGI値を基準に、
- 低GI食品(GI値~55)
- 中GI食品(GI値56~69)
- 高GI食品(GI値70~)
の3種類に分類されています。
GI値が低いほど血糖値の上昇が緩やかな食品なので、低GI食品である全粒粉は太りにくくなる効果や糖尿病の予防効果が期待できます。
ライ麦パンは中GI食品ですが低GI食品にかなり近い数値なので、全粒粉パンと同じような効果が得られます。
ただし、市販されている全粒粉パンやライ麦パンは『全粒粉入り』『ライ麦入り』表記で小麦粉の割合が80%以上なことがほとんどです。
上記のGI値は全粒粉・ライ麦100%のパンの場合です。
小麦粉のパンは高GI食品なので、小麦粉の割合が多くなるとその分だけGI値が高くなってしまいます。
ダイエット目的や血糖値を気にして全粒粉パンやライ麦パンを取り入れるなら、小麦粉との割合をよくチェックして選ぶようにしましょう。
全粒粉とライ麦に豊富に含まれる栄養
全粒粉とライ麦に含まれる栄養素は
- 食物繊維
- ビタミンB類
- ミネラル
- 鉄分
全粒粉もライ麦粉も似たような栄養素が豊富に含まれています。
それぞれの栄養素を小麦粉と比較して見ていきましょう。
食物繊維
- 全粒粉
-
11.2g
- ライ麦粉
-
12.9g
- 小麦粉
-
2.7g
小麦粉と比べてどちらも約4~5倍ほど多く含まれていることがわかります。
食物繊維が糖質の吸収を緩やかにしてくれる働きがあります。
ビタミンB類
- 全粒粉
-
0.76mg
- ライ麦粉
-
0.32mg
- 小麦粉
-
0.19mg
比較すると、全粒粉に特に多く含まれていることがわかります。
ビタミンB類は脂質や糖質など代謝に関わる栄養素なので、ダイエット中には積極的に取り入れたい栄養素のひとつです。
ミネラル類
- 全粒粉
-
808mg
- ライ麦粉
-
336mg
- 小麦粉
-
193mg
ミネラル類もビタミンB類同様に、全粒粉に特に多く含まれています。
ミネラル類は体の機能を調整したり生きる上で欠かせない成分です。
摂り過ぎると不調につながることもありますが、一番多い全粒粉でも1日の摂取基準量に届かないので摂り過ぎることはないでしょう。
参考:
ミネラルの種類とそれぞれの働きを解説!|森永製菓
ミネラルの基準量
鉄
- 全粒粉
-
3.1mg
- ライ麦粉
-
1.5mg
- 小麦粉
-
0.9mg
鉄分も全粒粉が一番多く含まれています。
参考:
全粒粉 – 一般成分表|食品成分データベース
ライ麦粉 – 一般成分表|食品成分データベース
小麦粉(強力粉) – 一般成分表|食品成分データベース
全粒粉はライ麦で代用できる?
全粒粉はライ麦でも代用できる
全粒粉の代わりにライ麦を使ってパンやお菓子を作ることができます。
ただし、全粒粉とライ麦は似ているだけでまったくの別物です。
全粒粉の代わりにライ麦でパンやお菓子を作ると、見た目や味が全粒粉とは違うものになるので注意が必要です。
特にライ麦粉で作るパンは『ドイツパン』と呼ばれます。
ドイツパンはライ麦の酸味がある独特の風味が特徴で、全粒粉パンとは違う食品になります。
またライ麦はグルテンが形成されないので、全粒粉を使ったレシピを置き換えると膨らまないこともあるので注意しましょう。
グルテンが形成されないライ麦ですが、グルテンとよく似た成分は形成されるのでグルテンアレルギーの方はこちらも注意が必要です。
全粒粉やライ麦粉とふすま粉は何が違う?
- 全粒粉とふすま粉は使う部位が違う
- ライ麦粉とふすま粉は原材料が違う
健康によく低カロリーな食品としてあげられる『全粒粉』『ライ麦』『ふすま粉』ですが、似ているようでどれも違います。
特に全粒粉とふすま粉は同じ小麦からできているので似ているのですが、下記のような違いがあります。
- 全粒粉
-
小麦をまるごと挽いたもの
- ライ麦粉
-
イネ科の植物ライを挽いたもの
- ふすま粉
-
小麦の胚芽と表皮を挽いたもの
全粒粉・ライ麦粉・ふすま粉の糖質を比較
糖質を100gあたりで比較すると、
- 全粒粉
-
57.0g
- ライ麦粉
-
62.9g
- ふすま粉
-
26.7g
と、ふすま粉が大幅に低いことがわかります。
ただし、ふすま粉にはグルテンがほとんど含まれておらず、パンやケーキなどが膨らみません。
そのためふすま粉100%で使うことは珍しく、小麦粉や他の粉に混ぜて使うことがほとんどです。
参考:
国内産小麦ふすま1kg – 厳選小麦粉・ミックス粉専門店 ぐるてん
ライ麦パンは実は太る?ドイツパンを選ぶデメリット
ライ麦パン(ドイツパン)のデメリットは
- 全粒粉パンに比べて高い
- 全粒粉パンに比べて手に入れにくい
ネットスーパーを見ると、ライ麦入りのパンは市販の全粒粉入りパンと比べて価格が少し高くなっています。
- 全粒粉入りパン
-
248円
- ライ麦入りパン
-
258円
参考:
パスコ 麦のめぐみ 全粒粉入り食パン 6枚
パスコ 超熟 ライ麦入り 6枚
取り扱い自体も、コンビニで全粒粉やふすま入りのパンは定期的にラインナップされているのに対し、ライ麦パンは取り扱いがないコンビニもあります。
ライ麦パンが太ると言われる理由
ライ麦パンのデメリットのひとつとして『太る』と言われることがあります。
ただし、ライ麦パン自体が太る食品ということではありません。
ライ麦パンは独特の酸味と風味が特徴です。
日本ではあまりメジャーではないので、そのままでは食べづらいと感じることも。
食べやすくするためにジャムやバター、クリームなどの脂質や糖質がたっぷりのものを塗って食べることが太る要因になってしまうのです。
特にドイツパンはクリームチーズなどの乳製品と相性が良く、独特の風味をマイルドにするおすすめの食べ方として紹介されることが多いです。
『ダイエット向きだから』『体に良いから』とライ麦パンを選んでも、カロリーが高く脂質糖質たっぷりのクリーム類と食べるのを習慣にしてしまうと当然ダイエットには逆効果です。
これが『ライ麦パンは太る』と言われている原因のひとつです。
ホームベーカリーで作れる!ライ麦と全粒粉100%のパンレシピ
レシピ:ヘルシ-ドイツパン
生地はハンドミキサーで混ぜるだけでOK!
捏ね・発酵の手間が必要無く、簡単に本格的なドイツパンがケーキ感覚で作れるレシピです。
カシューナッツ・ひえ・あわ等を入れてアレンジも可能です。
チーズやはちみつともよく合いそうですね。
レシピ:HBで作る全粒粉+ライ麦のパン
このレシピではホームベーカリーを使用しています。
材料を入れるだけで簡単なパンレシピです。
材料はシンプルで、砂糖とバターは不使用なのでとってもヘルシー!
ナッツやドライフルーツなどを入れてアレンジしても美味しそうです。
レシピ:全粒粉100%ベーグル
朝食にぴったり!
全粒粉100%のシンプルなベーグルレシピです。
粉の一部をライ麦全粒粉や玄米粉に変えて作ることも可能です。
材料自体にも、ケトリングでも砂糖やはちみつは不使用なのでヘルシーですね。
レシピ:ライ麦ベーグル
外はパリパリ、中はモチモチ!
しっかりとした噛みごたえがあり、ライ麦の香りが香ばしいベーグルです。
食物繊維がたっぷり入っているのでヘルシーなのもうれしいですね。
生地はホームベーカリーでも作れます。
「全粒粉とライ麦」のまとめ
この記事では「全粒粉とライ麦の違い」についてまとめました。
全粒粉は小麦粉を、ライ麦粉はライ麦を丸ごと製粉した「全粒穀物」です。
どちらもGI値が低く、食物繊維やビタミンB群などの栄養素が多く含まれているため、ダイエットや健康のサポートにおすすめです。
香ばしい風味が楽しめる全粒粉と、ずっしりとした味わいのライ麦ですが、「味」や「食感」など好みで選ぶとよいでしょう。
その他にダイエット向きの粉には、小麦の表皮の部分を粉にした「ふすま」があります。
全粒粉やライ麦よりも食物繊維を多く含み、低糖質という特徴があります。
いつも食べている小麦粉パンを、全粒粉やライ麦を使用したパンに置き換えるなど、健康によいものを取り入れていきましょう!