グルテンフリーと小麦粉/米粉などの食品とアレルギーについて

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グルテンフリーと小麦粉/米粉100%でもおいしい食品が増えている

小麦粉の代用品として米粉100%食品が増えている

グルテンアレルギーや小麦粉アレルギーで悩む人が増えるにつれ、グルテンフリーな食品が注目を集めています。
その中でも特に人気があるのは米粉100%の食品です。
米にはグルテンが含まれていません。
その特性を生かした米粉100%のパンやケーキ、お菓子などもたくさんあります。
これまでは小麦を原料としていた食品でも、米粉を代替に使うことによって食の楽しみの幅が広がります。

米粉に置き換えるメリット

小麦を米粉に置き換えることは、グルテンフリーアレルギー対策以外にもたくさんのメリットがあります。

1つ目のメリットは、国産の原料を使えるという点です。
小麦は大半を海外からの輸入に頼っているのに対し米は日本国内で収穫できます。
農業活性化という点においても米粉はおすすめですし、国産の原料という安心感もあるでしょう。

2つ目のメリットは、幅広い料理に使えるという点です。
米粉は小麦よりも油分が少なく手触りがサラサラしています。
パン作りやケーキ作りでこねる際にも、ダマになりづらく扱いやすいというメリットがあります。
また米粉は味を主張しすぎないという点でも使い勝手がよく、幅広い用途に適用できるのが魅力と言えます。

グルテンフリーと小麦粉を使った食品/他の麦系製品との違い

グルテンフリーで避けたい小麦粉製品とは?

パンやパスタなどは原料を小麦としています。
グルテンはたんぱく質の一種で、水を加えてこねると粘り気や弾力が出るという特性があります。
そのためモチモチ感のあるパン生地や餃子の皮、弾力性のあるパスタ麺などは特に注意が必要です。

原材料に小麦粉が使われている可能性の高い食品にも要注意

明確に小麦粉が原料というわけではなくても小麦粉が使われている可能性が高い食品も避けたほうが良いでしょう。
例えば、カレーやシチューのルーにはトロミをつける目的で原料に小麦が使われていることが多いです。
とんかつを挙げる際のパン粉、市販のてんぷら粉や唐揚げ粉にも、ふんわり感を出すために小麦が使われている可能性があります。

調味料にも小麦粉が使われていることがある

調味料にも小麦粉が使われていることは少なくありません。
例えば、醤油や麺つゆ、コンソメやポン酢などには高い確率で小麦粉が使われています。
そのほか味噌や酢などにも使われていることが多いため、注意しましょう。

小麦粉とその他の麦(大麦やライ麦、オーツ麦)の違い

味噌や醤油の原料となる大麦にはグルテンは含まれません。
しかし、グルテンと分子構造がよく似たホルデインというたんぱく質を含んでいるため、アレルギーには注意が必要です。

ライ麦にはグルテンを生成する際に必要となるグリアジンとよく似たセカリンが含まれています。
グリアジンではないため水を吸収してもグルテンを形成することはありません。
ただしアレルギー体質の人は注意したほうが良いでしょう。

オートミールの主原料となるオーツ麦にはグルテンが含まれず、似た構造のたんぱく質も含んでいません。
そのためグルテンアレルギーの人でも安心です。

グルテンフリーでも小麦粉アレルギーが起こる場合がある

グルテンアレルギーと小麦アレルギーは別物

小麦には複数のたんぱく質が含まれており、その一つにグルテンがあります。
グルテンアレルギーとはグルテン成分に対してのみアレルギーを持っていることです。
小麦粉アレルギーの場合はグルテン以外のたんぱく質にアレルギー反応を起こすこともあります。
そのため両者は別物だと考えるのが良いでしょう。

小麦に含まれるたんぱく質の種類の違い

小麦に含まれているたんぱく質を大きく分類すると、水に溶けるタイプと溶けないタイプがあります。
水に溶けるタイプはアルブミンやグロブリンで、これらはアミラーゼやアミノペプチダーゼなどの酵素も含んでいるという特徴があります。

水に溶けないたんぱく質にはグリアジンやグルテニンが含まれます。
グルテンアレルギーを引き起こすのはこれらのタイプです。
水と混ぜることによって両者が結合して、粘り気や弾力作用を持つグルテンが生成されるという特徴があります。

麦類の中にはグリアジンのみを含むものや、グルテニンのみを含む種類もあります。
その場合水と混ぜてこねても結合できないため、グルテンの生成はありません。
ただしたんぱく質の構造が似ているため、グルテンが生成されなくてもアレルギー反応が出てしまうことはあります。

グルテンフリー食品でも小麦アレルギーの人は注意が必要

グルテンフリーの食品にはグルテン含有量が20ppm以下に抑えられています。
ただし、小麦粉アレルギーの人はグルテンフリー食品でもアレルギー反応が起こるリスクがあります。
注意したほうが良いでしょう。

その理由は小麦粉アレルギーではグルテン以外のたんぱく質成分に対して、アレルギー反応が起きる可能性があるからです。
もしもグルテンフリー食品でもアレルギー反応が出る場合には、自分は小麦粉アレルギーだと考えましょう。
その場合には異なる原料で作られている代替の食材を見つけるのが得策です。

グルテンフリーの基本/小麦粉の代用になる粉は米粉、玄米粉など

小麦粉の代用になる粉とそれぞれの特徴

グルテンアレルギーや小麦アレルギーの人は、グルテンを含む小麦粉の代用として別の食材を使う方法がおすすめです。

代替としてよく使われる米粉は、小麦粉よりもサラサラしていてダマになりにくいという特徴があります。
また、腹持ちが良く満腹感も得られます。
グルテンを含まないためグルテンフリー食品として人気があります。

玄米粉もまたグルテンフリーの代替品として人気です。
米粉よりも低カロリーでヘルシーな代替品を探している人におすすめです。

大豆粉もグルテンフリーです。
豆のニオイが強めなので、お菓子作りでは好き嫌いが分かれやすいかもしれません。
しかし低カロリーでビタミンやミネラルが多く、栄養価は満点です。

とろみ付けに使われることが多い片栗粉はジャガイモを原料としています。
これもグルテンフリーです。
とろみが強くケーキ作りなどには適していません。

その他、ココナツ粉やタピオカ粉などのグルテンフリーな代替品もあります。
どちらも弾力性や粘性がありお菓子作りなどに使われます。

てんぷら粉やたこ焼き粉などは小麦粉にベーキングパウダーや卵を配合した粉です。
小麦粉の代替として使うことはできますがグルテンを含むため、グルテンフリー食品にはなりません。

家庭で作れそうな食べ物と向いている粉を紹介

家庭でパンを作るなら米粉や玄米粉が人気です。
グルテンフリーでもモチモチなパンに仕上がります。
水と混ぜてこねてもダマになりづらいため、作りやすい点が魅力です。

スコーンやパンケーキなら、原料の味も楽しめる大豆粉やココナツ粉、タピオカ粉なども良いでしょう。
さっぱりした食感でいただけますしデザート感覚で楽しめます。

パウンドケーキやシフォンケーキなどのケーキ類にはヘルシーな大豆粉を使うのが人気です。
クッキーなどの焼き菓子にも大豆粉を使うとヘルシーでおいしいと好評です。

もっちりふわふわ米粉100%パン

もっちりふわふわ米粉100%パンの画像(引用:cookpad)
引用:cookpad

このレシピではグルテン入りの米粉を使用しています。
モチモチの食感やお米の風味がたまらない!
発酵は1回だけなので、普通のパンより簡単に早く作ることができます。
形を変えてアレンジもできます。

詳しいレシピを見る(cookpad)

米粉100%蒸しパン:アレルギー対応

米粉100%蒸しパン:アレルギー対応の画像(引用:cookpad)
引用:cookpad

卵・牛乳・小麦不使用でアレルギーの方も安心して食べられる蒸しパンです。
さつまいもの他にも、小豆やすりおろしたニンジンなどでも美味しくアレンジできます!
蒸しパンは失敗も少なく、簡単にふわふわに仕上がります。

詳しいレシピを見る(cookpad)

グルテンフリーには市販の小麦粉不使用ミックス粉がおすすめ

パンにはミズホチカラの米粉がオススメ

グルテンフリーなパン作りには、小麦粉よりもサラサラでモチモチとした弾力のある米粉が人気です。
パン作りのために開発された「ミズホチカラ」なら、グルテンや増粘剤が入っていなくても一般的なパン以上にモチモチでふっくらのパンに仕上がります。

ミズホチカラは九州の熊本県で2010年に開発されたお米の品種です。
お米の品種として優れているだけでなく、パンの焼きあがりも想定した製粉方法にもこだわっているためパン作りには最適なのです。

グルテンフリーに配慮したミックス粉もある

グルテンアレルギーだからと小麦粉を使う食品全般をあきらめてしまう人が少なくありません。
しかし、グルテンフリーの代替品を使えばパンやパンケーキなどもあきらめる必要はありません。
それぞれの粉をどのぐらいずつ混ぜるかを教えてくれるレシピもありますが、すでにミックスされているミックス粉が便利です。

こうしたミックス粉には大豆粉や米粉が使われることが多いのですが、商品ごとに配合率が異なります。
どれもおいしく簡単に使える工夫がされているため、複数の代替粉を購入する必要がありません。
こうしたミックス粉はどんな粉を混ぜているかによって食感や風味が異なり、さまざまなおいしさを楽しめます。
パンケーキミックス粉だけでなくパン作りに便利な玄米粉のミックス粉なども人気です。

グルテンフリーな小麦粉不使用のお菓子・パンレシピ

小麦粉の代わりとなるグルテンフリーな粉にはいくつかあります。
人気があるのは米粉で、パン作りやパンケーキなどふわふわ感やモチモチ感を出したいときにおすすめです。

ヘルシーで独特の風味と食感を楽しめる大豆粉もまた、小麦粉の代替粉として使えます。
ビタミンやミネラルが豊富な点が大きな魅力です。
穀類ではなく豆を原料としており低カロリーです。
そのためダイエット中の人にもおすすめです。

小麦粉代わりに別の粉を使う際にはその粉の特徴を理解することが必要不可欠です。
粉なら何でもOKというわけではありません。

特に粉によって重量が異なる点に注意が必要です。
小麦粉を使うレシピをアレンジして代替品を使うなら、使用する粉の量には注意したいものです。

糖質制限!大豆粉マフィン

引用:cookpad

アーモンド粉と大豆粉だけを使ったグルテンフリーのマフィン。
糖質が低いので、アレルギーだけでなくダイエットにもピッタリ!

アレンジレシピもたくさん紹介しているので、マフィンだけでも何通りも作れてしまいます。

詳しいレシピを見る(cookpad)

米粉100%ふわふわパンケーキ

引用:cookpad

グルテンフリーの米粉パンケーキです。
小麦粉のパンケーキのようなふわふわの食感を楽しめます。
シロップ無しでも食べれますが、クリームやフルーツでデコレーションしてもいいですね。
作り置きして冷凍保存も可能です。
朝食にもピッタリ!

米粉によって食感が変わるので、何種類か試してお好みのメーカーを探してみては?

詳しいレシピを見る(cookpad)

グルテンフリーと小麦粉についてまとめ

この記事では「グルテンフリーと小麦粉」についてまとめました。
健康志向の高まりやアレルギー対応で、グルテンフリーを意識する人が増えています。
しかしグルテンは、主食や調味料など多くの食品で使用されているため、避けるのは難しい面もあります。

そのような中、グルテンを多く含む小麦粉の代替として「米粉」が注目されています。
米粉は国内産の原料であること、幅広い料理に使用できることなどのメリットがあります。
その他に小麦粉の代替えとしては、低カロリーな「玄米粉」、栄養価の高い「大豆粉」などもおすすめです。

小麦粉不使用で、自宅でも簡単に作れるお菓子やパンのレシピをいくつか紹介しているので、ぜひご自宅でチャレンジしてみてくださいね。

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