グルテンフリーとは/メリットとグルテンフリー食品の意味

目次

グルテンフリーとは/グルテンが含まれている食品の見分け方

グルテンフリー食品の見分け方について

グルテンフリー食品には日本国内の基準によるアレルギー表示マークと、欧米の基準によるグルテンフリー認証マークとがあります。
これらは、グルテン含有量の最低基準が異なります。

グルテンの濃度はコンタミネーション率という数字で表すことができます。
グルテンフリー認証マークは、コンタミネーション率が20ppm未満でなければいけないと規定されています。
アレルギー表示マークにはグルテンフリーという表示はありません。
しかし、グルテンのコンタミネーション率が1ppm以下のものはノングルテンと表示されています。

加工食品に使われている「隠れグルテン」について

グルテンフリー表記されていてもグルテンコンタミネーションがゼロというわけではありません。
この表記は基準を満たせばOKなので隠れグルテンと呼ばれる少量のグルテンが含まれていることが多いのです。

グルテンはハムやウィンナーなど加工肉のつなぎ、あるいは食品の量を大きくするために使われることがあります。
醤油やブイヨンなどの調味料にも少量のグルテンが使われています。

グルテンが含まれていない代表的なものはお米・米粉

グルテンが全く含まれていない食品もあります。
代表的なものは白米、そして白米から製造される米粉でしょう。
小麦系を原料とする食品には、残念ながら多かれ少なかれグルテンが含まれていることは多いものです。
そのため、より確実にグルテンを避けるためにはパンより白米をイメージして食材を選ぶことをおすすめします。

グルテンフリーとは/実践するメリットは?

グルテン自体に害はない

グルテンアレルギーとは体の免疫システムがグルテンに反応してアレルギー反応を起こす症状です。
症状の出方や程度の違いはあっても、多くの人はグルテンアレルギーを持っていると考えられています。

グルテンアレルギーの人にとってグルテンは体調不良の原因となる大敵です。
しかし食材としてのグルテン自体に害があるわけではありません。
もしもグルテンを摂取した後に体調が崩れる場合には、それはグルテンが悪いのではなく自身の体がグルテンと相性が良くないと考えましょう。

グルテンフリーのメリット

グルテンフリーの食生活を実施することは、これまで無自覚だったグルテンアレルギーを改善できるというメリットがあります。
症状が軽度の人は自身がグルテンに対してアレルギー体質を持っていることに気づかないケースは多いものです。
しかし、食生活からグルテンを除去することでより健康的な体内環境へと近づきます。

ダイエット効果も期待できるでしょう。
グルテンは小麦類に含まれており、炭水化物や糖質を多く含むパンやケーキなどにも多く含まれています。
グルテンフリーの食生活にすることで、炭水化物や糖質の摂取制限ができ、結果としてダイエット効果が得られます。
ただしグルテンそのものに肥満の作用があるわけではありません。
その点は誤解しないように注意しましょう。

グルテンフリーとは/意味や本来の目的

グルテンを摂取しない生活/グルテンを含まない食品のこと

グルテンフリーな食生活とは、普段口にする食品を見直してグルテンの摂取量を最低限に抑えようという食生活です。
グルテンは小麦類に多く含まれているたんぱく質成分で、小麦を原料とする食品にも含まれています。

グルテンは調味料などにも少量含まれています。
そのためグルテンフリーな食生活をするなら、購入する加工品や調味料などはグルテンフリーと明記されているものを選ぶと良いでしょう。

もともとはセリアック病患者のための食事療法

グルテンフリーな食生活はもともとはグルテンに対して腸の細胞がダメージを受けて機能低下する、セリアック病の患者のための食事療法として活用されていました。
これを有名人が実践したころ、期待以上の効果を得られたということから一気に世界中へ広がり、知名度が高くなったのです。

グルテンアレルギーは症状が出る度合いが軽度だと自覚しないケースが少なくありません。
そうした人でもグルテンフリーな食生活をすることによって、体内に摂取するグルテン量が激減するため体内環境を健康にできるのです。

多くの人はグルテンに対して何かしらのアレルギーを持っていると考えられています。
しかし全員ではありません。
グルテンにして強い免疫力がある人なら、グルテンフリーの食生活にしても体調に大きな変化や効果はないでしょう。

グルテンフリーとは/実践することで得られる効果

グルテンフリーで得られる効果

グルテンフリーな食生活をすることでたくさんの健康効果が期待できます。

1つ目は、胃腸の調子が整う効果です。
便秘や下痢、腹痛やガスなど、不快な症状が軽減するでしょう。

2つ目は、肌荒れが改善する効果です。
慢性的な肌トラブルで悩んでいた人の中には、グルテンフリーにすることでトラブルがなくなる可能性が期待できます。

3つ目は、生理痛や生理不順、疲れにくくなるといった効果です。
これはアレルギーを引き起こすグルテンが体内に入ってこないために、ホルモンバランスや自律神経のバランスが整うためです。
精神的なイライラも感じにくくなるでしょう。

自覚なくアレルギーを持っている人にも見られる効果

グルテンアレルギーの症状が軽度の場合、本人が無自覚のままグルテンを摂取し続けるケースが少なくありません。
そうした人にとっては、グルテンフリーな食生活を心掛けることで、上記のような効果を得られる可能性が大きいでしょう。
慢性的な不調で悩んでいる人や食後にだけトラブルを抱える人でも、グルテンフリーで得られる体調改善効果を実感できます。

アレルギーを持っていない人が実践してもこの効果を得られる医学的根拠はない

グルテンアレルギーを持っている人はたくさんいます。
しかし全員がグルテンに対するアレルギーを持っているわけではありません。
もともとグルテンに対してアレルギー体質ではない人が実践しても、体調不良の改善という点では効果は見られないでしょう。

ただし、グルテンは小麦類に多く含まれており、アレルギーを持っていない人でもグルテンフリーの生活をすることで炭水化物や糖質の摂取量を軽減できます。
その結果ダイエット効果を得ることは可能です。

もし実践して効果を感じられるなら、知らずにアレルギーを持っている可能性

自身がグルテンアレルギーかどうか分からない人は、実際にグルテンフリーの生活を実践してみることをおすすめします。
もしも体調が改善できれば、多かれ少なかれ無自覚なグルテンアレルギーを持っていたと考えられるでしょう。

グルテンフリーとは/米粉パンは食べてもOK

米粉パンとは?

パンの食材は一般的には小麦です。
しかし、小麦を使わずに米粉で作ったパンは米粉パンと呼ばれています。
小麦に含まれているグルテンは米には含まれていません。
つまり米粉パンはグルテンフリーなパンなのです。

米粉パンのメリット

米粉パンの1つ目のメリットは、グルテンフリーなので小麦アレルギーやグルテンアレルギーを持っている人でも食べられることです。
これまでグルテンによって体調不良を引き起こしていた人でも米粉パンなら安心です。

2つ目のメリットは、栄養価が高いことです。
米は小麦よりも栄養価が高くたんぱく質やビタミンなどを豊富に含んでいます。
腸内環境を改善できる善玉菌とも相性がよく便秘改善効果も期待できます。

3つ目のメリットは、腹持ちが良いことです。
米は小麦よりも水分量が多いため腹持ちが良いという特徴があります。
米で作られている米粉パンは、小麦のパンよりも満腹感を得られ腹持ちも良いでしょう。

米粉100%のパンと、米粉+小麦粉のパンと、米粉にグルテンを添加したパンとがあることに注意

米粉パンには米粉のみで作られた米粉100%のパンのほか、小麦粉とブレンドしているものや、ふわふわ感を出すために米粉にグルテンを添加しているパンもあります。
グルテンアレルギーの人には米粉100%がおすすめです。

もっちりふわふわ米粉100%パン

もっちりふわふわ米粉100%パンの画像(引用:cookpad)
引用:cookpad

このレシピではグルテン入りの米粉を使用しています。
モチモチの食感やお米の風味がたまらない!
発酵は1回だけなので、普通のパンより簡単に早く作ることができます。
形を変えてアレンジもできます。

詳しいレシピを見る(cookpad)

米粉100%蒸しパン:アレルギー対応

米粉100%蒸しパン:アレルギー対応の画像(引用:cookpad)
引用:cookpad

卵・牛乳・小麦不使用でアレルギーの方も安心して食べられる蒸しパンです。
さつまいもの他にも、小豆やすりおろしたニンジンなどでも美味しくアレンジできます!
蒸しパンは失敗も少なく、簡単にふわふわに仕上がります。

詳しいレシピを見る(cookpad)

グルテンフリーとは/シリアルにもグルテンが含まれる

シリアルは小麦を原料としたもの全般を指します。
グラノーラはオートミールが主原料ですが、トウモロコシや玄米などが複数配合されている点が特徴です。
コーンフレークもシリアルに分類されますが原料にはトウモロコシを使っており、その点でシリアルと区別されることがあります。

小麦やトウモロコシだけでなく、穀物を加工した食品はすべてシリアルという食品カテゴリーに分類されます。
その中にはグルテンを含まないお米由来のシリアルなどもあります。
グルテンアレルギーの人ならお米や玄米系のシリアルを選ぶのが安心です。

シリアルにはグルテンが含まれているものが多いですが、グルテンフリーと明記された商品もあります。
グルテンフリー表記のものは原料に小麦が使われていないものが多く、グルテンの含有率は低く抑えられている点が特徴です。

グルテンフリーとは/オートミールもグルテンフリー食品

オートミールは主原材料にオーツ麦を使っています。
オーツ麦にはグルテンが含まれておらず、粉末状にして水でこねても小麦のようにグルテンが形成されることがありません。
そのためグルテンアレルギーを持っている人にとっても安心です。

ただしコンタミネーションには注意が必要です。
オートミールの中にはオーツ麦以外の穀類が配合されているものがあります。
この場合少量のグルテンが含まれている可能性が考えられます。
グルテンフリーと明記されている食品の場合、グルテンのコンタミネーションは20ppm以下と規定されていますがゼロではありません。

オートミールを選ぶ際にはグルテンフリーと明記されていることを確認するだけでなく、成分表を見て原料に何が使われているかもしっかりチェックしましょう。
もしもオーツ麦のみで作られているならグルテン含有量の面でも安心です。

オートミールパン

オートミールパンの画像(引用:cookpad)
引用:cookpad

グルテンフリーのオートミールを使用したパンレシピです。
満腹感を感じやすくダイエット中の強い味方になりそう!
材料をよく混ぜて焼くだけなので、工程が少なくシンプルです。
簡単に作れて朝食にもぴったりですね。

詳しいレシピを見る(cookpad)

グルテンフリーとは/低糖質の食品ばかりとは限らない

糖質制限とグルテンフリーの違い

糖質制限とグルテンフリーには大きな違いがあります。
糖質とは炭水化物と糖質のことで、小麦や米などの穀類に加えてフルーツなど甘い食材にも含まれています。
一方のグルテンはたんぱく質の一種です。

糖質制限とは糖質を制限するものでグルテンを含むことがあります。
グルテンフリーと明記されているものはグルテンの含有量が一定基準以下という特徴がありますが、糖質を含んでいる可能性はあります。

グルテンフリー食品=低糖質とは限らない

グルテンフリー食品とはグルテンを含まない食品を指します。
必ずしもダイエット効果のある食品とか、低糖質な食品とは限りません。

例えば、炭水化物を多く含む米は糖質制限の対象となる食材です。
しかしグルテンを含んでいないため、グルテンフリーの食品には米を原料としたものが多くあります。

グルテンフリーの食品はもともとグルテンアレルギーを持つ人の食事療法のために開発されたものです。
グルテンの排除を目的としているためグルテンフリーが必ずしもダイエット効果のある食品ではないという点は、理解しておきたいものです。

ただしグルテンを含まず低糖質な食品も見つけることはできます。
何を目的とするかに合わせて適切な食品を選びたいものです。

グルテンフリーについてまとめ

この記事では「グルテンフリー」についてまとめました。
グルテンフリーとは、たんぱく質の一種であるグルテンを摂取しない食事法のこと。
イメージすると、グルテンを多く含む小麦粉を極力摂らない食生活とも言えます。

そんなグルテンフリーは、ケーキやパンなど糖質が多く含まれている食品を除去するため、食生活の見直しやダイエットにつながりやすく、無自覚だったグルテンアレルギーによる不調が改善できるといったメリットがあります。

一方、グルテンは小麦を使用した加工食品などにも広く使用されているため、完全に除去するのは難しい面も。
グルテンフリーの認証マークがある食品を選んだり、代替え粉として米粉で作られたものを摂取したりすることが大切です。

目次