全粒粉のカロリー/糖質やGI値が低く、栄養価が高い全粒粉パン

目次

全粒粉のカロリー・糖質はどれくらい?/小麦粉との比較

全粒粉の特徴

小麦を丸ごと製粉した全粒粉は小麦粉よりも少し茶色い粉です。
ちなみに小麦の構成部位は胚乳、表皮、胚芽です。
小麦粉の約83%を占める胚乳は小麦粉の素にもなっており、ふんわりとしたパンに仕上げる為に必要な成分が含まれています。

小麦粉の約15%を占める表皮はふすまと呼ばれ食物繊維が多く含まれています。
胚芽は小麦の2%で、ビタミン、ミネラルが含まれています。
このように全粒粉は栄養価が高く、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの含有率がとても高い材料です。
小麦特有の香ばしい風味と少しブツブツとした食感が特徴で、その栄養価の高さから最近では小麦粉の代わりにパスタやうどんなどにも使われています。

全粒粉は表皮も胚芽も一気につぶして製粉するので「ホールフード(全体食)」と呼ばれ、生命力の高い食品として広まっています。

全粒粉と小麦粉のカロリー、栄養素の比較

全粒粉:328kca/糖質57gl/食物繊維 11.2g/マグネシウム 140.0g/ビタミンB1 0.34g/鉄 3.1g
小麦粉:368kcal/糖質73.4g/食物繊維 2.7g/マグネシウム 23.0g/ビタミンB1 0.09g/鉄 0.9g
(100gあたり)

カロリーはさほど変わりませんが、ここに挙げた全ての栄養素において全粒粉の方が小麦粉よりも含有量を上回っています。
しかしどちらもカルシウムとビタミンCは不足しているので、他の食品と食べ合わせて不足を補う必要があります。

全粒粉と小麦粉の用途の違い

全粒粉は小麦の表皮、胚芽、胚乳を含む全てを粉にしていますが、小麦は胚乳部分のみを粉にしています。
そのため用途にも違いがあり、全粒粉はシリアルやクッキーなど、食感を重視する食品に用いられます。

一方、小麦粉はスポンジケーキや麺類、もちっとしたパンなど、唯一小麦粉のみから抽出できるグルテンの特徴を活かした食品に用いられることが多いのです。
それぞれ代用品として使用もできますが、その特徴を認識していないと思うような仕上がりにはなりません。

全粒粉パンは低カロリー?/香ばしさがクセに「全粒粉100%パン」の作り方

全粒粉パンの種類

全粒粉パンには全粒粉を100%使用した「全粒粉パン」と、強力粉と全粒粉がブレンドされた「全粒粉入りパン」の2種類があります。
「全粒粉パン」「全粒粉入りパン」の特徴はずっしりとした重みとざらりとした舌触りです。
控え目な甘みと噛むほどに広がるうま味、酸味も全粒粉特有の特徴です。

また小麦の持つ特有の香ばしい風味や歯ごたえのある食感もあり、好みによっては苦手な方もいらっしゃいます。

全粒粉パンの特徴

全粒粉は小麦の胚乳、外皮、胚芽全てをすり潰して粉状に仕上げたものです。
一般的な小麦粉は胚乳のみを抜き出して製粉されています。
食物をまるごと食べる事をホールフードと言いますが、全粒粉がまさにホールフードと呼ぶ事が出来ます。
小麦の全てを食するので栄養価がとても高いのです。
ビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれているのが全粒粉の特徴です。
例えば食物繊維に関しては、1食に全粒粉食パン2枚を食べる事で1日の必要量の半分の食物繊維を摂取する事が出来ます。

またビタミンB1については強力粉の約4倍の含有量を誇っています。
その他にも亜鉛やカリウム、鉄分なども含まれており、健康維持の為に重要となる栄養素をたくさん摂る事が出来ます。
元来全粒粉は含まれるグルテン量が小麦粉よりも少ないので、ボリュームのあるパンは焼く事が出来ないと言われていました。
しかしレシピを工夫して作れば全粒粉100%のパンも作る事が出来ます。

全粒粉パンと食パン、どちらのカロリーが高い?

全粒粉パンのカロリーは251kcal、食パンは246kcal(それぞれ100gあたり)なので大きな差はないですが、やや全粒粉の方がカロリーが高くなっています。

しかし糖質で比較すると全粒粉は40.5g、小麦粉は55.5gと全粒粉が低糖質であることがわかります。
さらに食物繊維やマグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛なども小麦粉よりも多く含まれています。

全粒粉100% 低温発酵ハードパン

全粒粉100% 低温発酵ハードパンの画像(引用:cookpad)
引用:cookpad

乳製品不使用で全粒粉100%のハードな食感を楽しめるパンレシピです。
シンプルな材料で、作り方も軽く捏ねた記事を寝かせるだけで簡単です。
小麦の風味がしっかり感じられて食事ともよく合いそうですね。

詳しいレシピを見る(cookpad)

全粒粉100%のまるパン

全粒粉100%のまるパンの画像(引用:cookpad)
引用:cookpad

素朴な味わいを楽しめる全粒粉100%のパンレシピです。
中にあんこを入れてあんぱんにしたり、サンドイッチにしてアレンジも自在。
噛みごたえもしっかりあって、噛めば噛むほど香ばしさが広がります!

詳しいレシピを見る(cookpad)

全粒粉は低カロリーだけじゃない!低GI値で「食べ過ぎ」が防げる

そもそもGI値とは

GI値とは食品毎の血糖値の上昇度合を示し、数値が55以下であると低GIであるということができます。
高GIの食品は消化吸収が速く腹持ちが悪いので、食べてもすぐにお腹が空いてしまいます。
一方低GIの食品は消化吸収が遅いので腹持ちが良いのです。

カロリーの高い食品が高GIであると思われがちですが実際にはそうとも限りません。
基本的には炭水化物と呼ばれるご飯やパン、麺類が高GI食品と言われていますが、その原材料や種類によっては血糖値の上昇が緩やかである可能性もあります。
昨今では低GIの食品が肥満やメタボの予防に繋がるとされ世界的に注目されています。
今後低GI食品の流通量が増えることも予想されます。

全粒粉はダイエットにおすすめ

全粒粉は小麦粉と比較してカロリーがやや低くかつGIも低いです。
小麦粉で作られた一般的な食パンがGIは90なのに対し、全粒粉パンのGIは50ですので低GI食品と言われています。
腹持ちが良い全粒粉パンは食べ過ぎを防ぎたい人やダイエットしたい方におすすめです。

ダイエット中には間食を避けるべきという意見もありますが一概にそうとは言えません。
食べたいのに我慢をしてストレスを溜めると、その反動で食べ過ぎてしまう場合もあり逆効果になってしまいます。
低GIの間食であれば少量でも満足感がありますので、全粒粉クッキーなどを少し食べて夕食を控え目にすると良いでしょう。

全粒粉の魅力は低カロリーと低糖質!/タンパク質などの栄養素もたっぷり

低カロリー、低糖質な全粒粉

小麦粉と全粒粉のカロリーと糖質の比較は下記の通りとなっています。

全粒粉 328kcal 糖質 57g
薄力粉 367kcal 糖質 73g
強力粉 365kcal 糖質 69g

全粒粉が小麦粉(強力粉、薄力粉)よりも低カロリー、低糖質なのがわかります。
小麦粉は胚乳と呼ばれる小麦の83%を占める部分のみで作られており、胚乳は高カロリーなのです。
一方全粒粉は胚乳以外の部分まで製粉しているので、小麦粉よりも低カロリーになります。
さらにタンパク質やビタミン、食物繊維が豊富に含まれているので、全粒粉は栄養素が高いと言われています。

全粒粉に含まれる栄養素①タンパク質

ヒトの体の成分のうち15〜20%はタンパク質が占めていて、筋肉や肌、爪などあらゆる細胞はタンパク質から作られています。
タンパク質は日々合成と分解を繰り返します。
その際、体内にあるタンパク質の貯蔵と毎日の食事から摂取したタンパク質をおよそ5対4の割合で使用しています。
体内にタンパク質が不足してしまうと免疫機能が低下し、筋肉量も減少してしまいます。
毎日の食事で質の良いタンパク質をたっぷりと摂取することが健康維持には欠かせません。

全粒粉に含まれる栄養素②ビタミン

ビタミンには13の種類があり、それぞれ少しずつ異なる役割をします。
主に体内でエネルギーを作りだす際のサポートをする補酵素としての働きをします。
全粒粉に含まれるビタミンB1は糖質の代謝に関わり、疲労回復の手助けをしてくれます。
またビタミンB6はアミノ酸の合成を助ける働きをするので、タンパク質と合わせて摂取することが推奨されています。

全粒粉に含まれる栄養素③食物繊維

食物繊維には不水溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、全粒粉には水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
よく知られている機能として、おなかの調子を整え便秘を解消してくれます。
加えてコレステロールの吸収を抑える働きもあるので、肥満、糖尿病、高血圧の予防にも効果があると言われています。
日々の食事の中で積極的に摂取すべき栄養素の一つです。

全粒粉に含まれる栄養素④鉄分

鉄分は酸素を体のすみずみまで運ぶ赤血球の素になります。
激しい運動をする際には酸素がたくさん必要になるので、普段の生活以上に鉄分が必要となります。
鉄分が不足してしまうと貧血になったり体内に酸素が行きわたらなくなるので、運動能力や学習能力にも影響が出たりする場合があります。

体内への吸収率が低いので日々の食事で過剰摂取になることはありません。
積極的に摂取していきたい栄養素の一つです。

全粒粉で作るトーストのカロリーは?/簡単!おすすめレシピも紹介

全粒粉を含むトーストの100gあたりのカロリーはそれぞれ下記の通りです。

全粒粉100%食パンのトースト 277 kcal
全粒粉入り食パンのトースト 283kcal

全粒粉の配合率にもよりますがカロリーに大きな違いはありません。
小麦粉のみで作られたトーストよりも多少はカロリーは低めですが、ダイエット中でカロリーを制限している人が何も考えずに食べることができる数値ではありません。
どちらも食べ過ぎには注意が必要です。

ただし全粒粉100%パンの方が噛み応えがあり、かつ食後の血糖値の上昇は緩やかなので、満腹感を早く得られやすいでしょう。
結果的に食べ過ぎ防止にもなるためダイエットにもつながる可能性があります。

全粒粉パンでピザトースト

全粒粉パンでピザトーストの画像(引用:cookpad)
引用:cookpad

全粒粉パンを使用したピザトーストのレシピです。
全粒粉の風味がトマトソース、チーズ、バジルとよく合いそうですね。
具の野菜の種類を増やせば食事のバランスも取りやすく、満足感が得やすくなります。

詳しいレシピを見る(cookpad)

全粒粉とライ麦の違いは/カロリーが低くてヘルシーなのは?

ライ麦の特徴

ライ麦は主に欧米の寒い地域で作られています。
寒冷地の土壌には栄養があまり含まれず小麦の栽培には向いていません。
そこで広まったのがライ麦の栽培で、東ヨーロッパやドイツなどで多く作られるようになりました。
ライ麦は全粒粉と同様に食物繊維やビタミン、カリウムが豊富に含まれており、健康食としての評価が高まっています。

全粒粉とライ麦の違い

どちらも元はイネ科の植物であるライ麦と全粒粉ですが分類は異なります。
100gあたりのカロリーと糖質は全粒粉328kcal/57g、ライ麦334kcal/47gと大差はありません。
GI値は全粒粉が50、ライ麦が58ですので、全粒粉の方がダイエットには向いていると言えます。

また食感や味わいに関しても少し違いがあります。
全粒粉は小麦粉よりもやや色が茶色く小麦粉に小さな粒が少し混ざった感じです。
食感も味わいも小麦粉のパンとあまり変わりません。
一方ライ麦はパンとして焼き上がると黒っぽい色になり、酸味のあるずっしりと重みのある質感になります。

ライ麦が向いている人、全粒粉が向いている人

ライ麦にはグルテンが含まれていないので、グルテンアレルギーの方でも食べることができます。
ただし、グルテンの構成要素であるグリアジンに似たセカリンという成分を含みます。
完全にグルテンフリーという訳ではないので注意が必要です。
また独特の酸味があり、そういった味わいが苦手な人にはあまり向かないと言えるでしょう。

全粒粉は低GI食品であり食物繊維などの栄養素が豊富に含まれているので、ダイエットをしたい方にはうってつけの食材です。
ただしパンの場合は全粒粉100%でないと低GIでなくなる可能性があるので、小麦粉との配分量をしっかり確認した上で食する必要があります。
自分の味の好みや食べる目的によってライ麦と全粒粉を食べ分けると良いでしょう。

全粒粉のカロリーについてまとめ

この記事では「全粒粉のカロリー」についてまとめました。
全粒粉と小麦粉を100g当たりでくらべると、全粒粉は328kca・糖質57g、小麦粉は368kcal・糖質73.4gで、全粒粉の方が低カロリーで低糖質なことが分かります。

小麦粉は、小麦の約8割を占める胚乳から作られますが、この胚乳は高カロリーであることが特徴です。
一方、全粒粉は胚乳・表皮・胚芽をまるごと製粉しているため、小麦粉よりも低カロリーになります。

さらに全粒粉は低GI値であるため、食べ過ぎが防げて、タンパク質やビタミン、食物繊維などの栄養価が高いというメリットも!

同じく健康で注目されているライ麦がありますが、全粒粉とくらべてライ麦の方がカロリー・GI値ともに若干高めです。

上記に全粒粉100%のパンレシピや、ピザトーストのレシピを紹介しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。

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